副業解禁までに会社が準備しないといけないこと~社会保険編~

モデル就業規則改定で容認へ

2017年は副業解禁の元年になったと言える年です。休息に進む少子高齢化で労働力が不足しているという日本において、企業としては優秀な人材をいかに確保して働き続けてもらうかが焦点となっています。個人としても100年ライフの時代となっており、一つの企業でずっと働くよりは、複数のスキル能力をいかして働くというスタイルが今後一般的になってくることは必至です。

そこで副業の壁があります。複数の企業に働く上で、企業の副業については8割以上の企業が副業を認めていません。これだとどれだけ従業員が新しい能力やスキルを磨きたいと思っても進むことはありません。そこで政府は副業容認の就業規則改定へと踏み切ったのです。
モデル就業規則という厚労省が出している就業規則のひな形があります。その内容を改定するというものです。もちろんモデル就業規則自体には拘束力はありません。企業がそれに沿うかどうかも企業の判断です。ですが、日本としての就業規則のモデルが変わったこと自体に大変意味があるのです。

副業解禁で考える労災保険について

副業が解禁される上でもう一つ考えることがあります。それは労災保険についてです。労災保険は現在、このようになっています。

労災保険の労災補償の平均賃金の考え方

業務上認定がされたとして、その補償である労災補償は本業か副業か、どちらの平均賃金を採用するのかが問題になります。
この点ですが、被災した勤務先の平均賃金をもって労災の補償をするというものです。

被災された賃金の額で労災補償がされるということについて、最近では脳心臓疾患などの複雑な例が増えてきていることを考えると、本当にこれでいいのか、疑問がのこるところです。どちらの業務が原因で脳心臓疾患になったのか判断がつかないケースも多いのではないでしょうか。

また、通勤途中や業務途中で障害を負ったり、亡くなった場合は、遺族年金や障害年金があります。この年金の額についても、災害を負った会社で支払われていた給与の額でしか計算がされません。

本人がその障害で失ったお金を稼ぐ力(稼得能力)は複数の企業から得ている給与額の合算ですが、実際に労災から支払われる額は、片方の金額しか出ないということなのです。
特に問題となるのは、一つの給与の割合が大きく、もう一つは給与額が小さい場合に、給与額が小さい方の勤務先に向かう途中に被災した場合には、小さい額を元にして計算がされます。本来の本人のお金を稼ぐ能力(稼得能力)より小さい額で保障がされるということなのです。

この部分で労災保険の改定が検討されたこともありますが、結果的には改定には至っていません。「今後検討を行います」という状態で、今なお改定されていないのです。

つまりどうなるかというと、現在副業先で労災に遭った場合には、どんなにお給与額が本業に比べて少なくても副業先の平均賃金で保障されるということになります。

副業解禁の企業の狙い

このように副業解禁には様々な課題があります。といっても企業は副業解禁に踏み切る意図があります。ちなみに副業先や他の交流の場所で得たノウハウや知見を従来の会社で組み合わせてイノベーションを生み出してほしいと考える企業が多いです。

実際、副業をして様々な人脈や能力、知識に触れることで、アイディアが生まれそれが相乗的に本業の会社にもたらされる例は枚挙にいとまがありません。

まとめ

社員は今までと異なり自立的に自分のキャリアを開拓していく時代です。自分自身の価値を作りそれを企業にアピールできる人材が増えるのです。職業とは人生そのもの。それを自らクリエイトしていける人材こそ、今後残っていく人材と言えるでしょう。

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