GVA法律事務所の軌跡〜わずか3年で顧問先100社を達成した訳とは?〜

今回は以前にも複業イベントにご登壇頂きましたGVA-TECHの山本さんにお越し頂いております。
事業としてどのようにスケールしていったのか。またAI-CONの誕生秘話などお聞きさせて頂きます。
それではインタビュースタートです。

※複業イベントの記事はこちらから

【SANBOU編集部】本日はよろしくお願いいたします。
本日はGVATECHの山本さんにお越し頂き、AI-CONの秘話などお聞きできたらと考えています。

<山本氏プロフィール>

弁護士登録後、鳥飼総合法律事務所を経て、2012年にGVA法律事務所を創業(現在グループで海外弁護士を含む弁護士等の専門家27名、顧問先250社以上)。累計で1000社以上のスタートアップの法務戦略に関わる。2017年には「契約書業務をAIで自動化」するためにGVA TECH株式会社を創業する。


【SANBOU編集部】早速ですが2010年に弁護士になられて、2017年にGVATECHを設立して、ITなどに特化されているのですがなぜそのような形になったのでしょうか?

【山本氏】

元々は税務に強い弁護士になりたいと思っていました。アメリカではタックスロイヤーみたいな感じです。日本は税理士がいるので、税務をやる弁護士はいない。
そういった思いが大学生時代にありました。
税務訴訟に強い事務所が当時あって、たまたまそこに入所することが出来ました。
ただその時は税務訴訟が下火になっていて、案件が非常に少なかったです。
ですから普通に企業法務をしていました。そこで知り合った方がベンチャー企業で一緒に仕事をするのが楽しかったです。

【SANBOU編集部】
それはなぜ楽しかったのですか?

【山本氏】
一緒にビジネスを考えている感じがしたので、法務部の相談よりも楽しかったです。
法律うんぬんよりもビジネスについて考えたほうがよかったです。
当時はビジネスモデル構築法務とかもやっていました。
そこでベンチャーの顧問先が増えてきて、事務所の仕事との両立が難しくなってきたので
ベンチャー専門の弁護士事務所を立ち上げた形です。

別に嫌になって前職の事務所を辞めたとかいう訳ではありません。

【SANBOU編集部】
実際ベンチャーの支援をしていかがですか?

【山本氏】

ベンチャーが大きくなっていく過程が楽しいです。
はじめはマンションで打ち合わせが出来ずに近くのカフェで打ち合わせをしていた会社が上場するようになっているのを見るのは楽しいです。
一緒に成長して、お客様も成長するのが本当に楽しいです。

当時独立したては28歳だったので、相談しやすい弁護士というポジションが取れていました。ここ2.3年は僕より若い弁護士さんが増えてきたので、そっちに流れてしまっているので寂しいです(笑)

【SANBOU編集部】
ありがとうございます。別の質問に移りますが2013年に事務所の危機があったそうですが、それをどう乗り越えたかやどう今に生かされているのかをお聞きしてもよろしいでしょうか?

【山本氏】

独立して1年目の時に弁護士・修習生・事務員も含めて9名の採用をしました。当然売り上げが足りない状況です。ですから営業ばっかりして外に出ていたら事務所内の風紀があまりよくなかったです。それが原因で人が辞めてしまいました。一時期固定費ばかりが増えてしまい、事務所の危機でした。
それでコストカットできるところをして、新規開拓をがむしゃらにしました。
当時は付き合っている会計士を変えて、なんとか回るようになり、採用もできるようになりました。
その会計士さんは10万以上の支出をするのであれば、その会計士がOKを出さないと無理という形でやっていました。
当時の僕からすると、人も辞めてちょうどいいサイズに落ち着いたのかもしれません。おそらくバランスがよくなったのかもしれません。

【SANBOU編集部】
その当時よりもスケールしていると思うのですが、きっかけとかはあったのでしょうか?

【山本氏】
3年目は顧客獲得は順調にいって、顧問先100社を達成しました。4年目は海外展開の失敗もあり、また大変な時期でした。弁護士10名に近いフェーズには1年でいったのですが、なかなか10名の壁を超えられずにいました。

【SANBOU編集部】
そういった大変な時期は、どんな心理状況でしょうか?やっぱりつらいですか?

【山本氏】
2年目のトラブルの時は、めちゃくちゃつらかったです。僕から近い人(創業時に採用した弁護士や古くからの友人)などが辞めてしまいました。
会計士の方にビシバシ鍛えられたのが良かったのだと思います。
当時はめちゃくちゃ会計士の方に怒られていました。【経営者失格だ】【人間失格だ】など言われていました。
当時は借金も多くありました。(笑)

【SANBOU編集部】
資金繰りとかをどう乗り越えたのかお聞きしたいのですが、いかがでしょうか?

【山本氏】

元々営業力はあったのですが、経営力はまったくなかったです。にもかかわらず事務所の人数が増えて経営的なこともしなくてはいけなかったです。
それがよくなかったのだと思います。身の丈に合わない採用をしてしまったのが問題だと思います。応募者みんながいいように見えてしまっていたと思います。
若手社長あるあるだと思うのですが、採用募集に来てくれるとすごく嬉しいのでかまわず採用してしまいます。嬉しくても採用してはいけないと思います。(笑)

【SANBOU編集部】
ちなみにその当時は採用の人数とか考えていたのですか?

【山本氏】
相当な人数の採用を考えていました。1年目で顧問先100社増やそうと考えていました(笑)結局は3年かかってしまいましたが。

【SANBOU編集部】
ありがとうございます。別のご質問ですが士業などの資格を使って商売する方は、正直同じ商品を扱っていると思います。ただその中でも伸びる先生や伸びなくて、食えない先生といると思うのですが、違いはなんだと思いますか?

【山本氏】

食えない先生はお客さんにちゃんと会いにいっているのかなと思ったりします。
お客さんのニーズを探るために、30社くらい1ヶ月無料顧問をやりました。その中でどんなプランがいいのか探していた時期がありました。でもそんな事をやっていたら気に入って顧問やってくれますよ。

【SANBOU編集部】
専門性があると待ってしまうのでしょうかね?

【山本氏】
そうかもしれません。
とりあえず外に出てお客さんに会うようにしていました。
交流会などにも参加していました。
ただ交流会に行って終わりではなく、僕は交流会に行った人の中で、一番合いそうな人とランチに行くか会社訪問をしていました。

【SANBOU編集部】
成功する士業としない士業って何が違うと思いますか?

【山本氏】

士業の場合は、プレイヤーから外れて行く段階で少し違うと思います。「実務」・「営業」・「組織づくり」の3段階があると思います。
「実務」の場合はとにかく地力をつけるためにやっていかなくてはいけないです。「営業」の場合は先ほど言ったようにお客さんにしっかりと会いにいくというとこだと思います。
ただし「組織づくり」は任せるという割り切りをどこまで出来るかが大事なポイントになってくると思います。
どうしても業務を任せると瞬間的には質は下がってしまうと思います。
クレームも絶対出るので、それを耐えきってまでスケールしたいかというのは、どっちがいいとか悪いとかはないと思います。
大きくしたいなら、そこの腹を決めるところが重要です。
5,6人くらいなら自分のクオリティで商品管理できると思います。だから8人くらいのところで大きくしていないところが多いのだと思います。
2桁の壁がやっぱりあると思います。弊所も2桁を超えたのは2016年の春から夏くらいです。

【SANBOU編集部】
その壁はどうやって乗り越えたのでしょうか?

【山本氏】
幹部の育成が大事だと思います。圧倒的なNo.2がいたことが大きかったです。バランスが大事です。
組織づくりはNo.2に任せることが出来たので、僕がやるべき仕事に集中出来ました。
No.2がいないと、現場を常に見ていかなくなり、目線が下がってしまいます。
組織づくりがうまくいき始めて、ばぁーと顧問先が増えてきました。

【SANBOU編集部】
ありがとうございます。最後になぜAI-CONを作ろうと思ったのでしょうか?

【山本氏】

最近AIの匂いがしてきたのがあります。ベンチャーの顧問だと弁護士に出さないで社内でチェックしている契約書も多くあります。そこまで出してしまうと、顧問料が高くなってしまうからです。顧問料の範囲内では重要な契約書だけしかチェック出来なかったからです。
それが去年2017年の1月にスタートしたのがGVA TECHです。
契約書チェックサービスは当時難しいと言われていました。ですからAI-CONの設計を考える際には、色々な大学や会社を回りました。
今の仕組みなら自動化出来るのではないかということでスタートしました。

あと当時はエンジニアを探していたのですが、正直色々なエンジニアさんを紹介頂いたのですが、実力がわからなかったです(笑)
結局は外注先にお願いしました。
ただ、自社サービスを作っていくにあたっては内部にエンジニアがいないとダメだと思いました。
それで知り合いに相談して、たまたま転職活動をしていた現CTOを紹介してもらい、現在に至っています。

※AI-CONとは
契約書のリスク判定サービスです。業務委託契約書や秘密保持契約などをはじめとした諸契約の事前リスク判定や修正案内をサポートしています。スタートアップやフリーランスの契約から発生するリスクを低コスト・圧倒的なクオリティで回避することが出来ます。
登録はこちらよりお願い致します。

【SANBOU編集部】
なぜそこまで開発したいと思ったのでしょうか?

【山本氏】
 自分にしかできなくて、今後の世の中に必要だと思うことをやっていきたいのでしょうね(笑)僕自身もそれが楽しいのだと思います。

【SANBOU編集部】
本当に最後ですが、AI-CONやGVAも含めてどんな風にしたいのかをお聞かせ頂けますでしょうか?

【山本氏】

とにかくデータを集めてAI-CONをよりよいプロダクトに改善していきたいと思います!

【SANBOU編集部】
その先はすでに何か考えられていますでしょうか?

【山本氏】
自分専用のAI弁護士みたいなのを作りたいと思っています。それがGVA TECHの理念である「Legal Service for YOU」に繋がっています!
また今後の時代の変化として、リアルとネットの融合と連動して、ビジネスと法律が融合する分野って新しいものがどんどん増えてくると思います。そこでGVA法律事務所としては、ビジネス法務に詳しい法律事務所を目指していきたいです。あと創業期は失敗に終わった海外展開をもっともっと加速させたいですね。タイは現地に赴任しているパートナーの頑張りでやっと軌道にのりはじめてきました。

【SANBOU編集部】
長い時間ご協力頂きありがとうございました。

ご協力
GVA法律事務所
GVA-Tech株式会社

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